遺留分侵害額請求とは

  • 同順位の法定相続人である弟より少ない額の遺産しか受け取っていないことに気がついてから,誰にも言えずにそろそろ1年になる
  • 父の遺言を尊重して全財産を地域の福祉施設に寄付し,自分は何ももらっていないがそういうものなのか。不公平な気がする

遺留分は,侵害されたことがわかった時点から1年間しか請求することができないため,迅速に意思決定,対応を行う必要があります。早期に遺留分という法律上守られた相続分や,遺留分侵害額請求について理解し,ご自身が遺留分侵害額請求をできるのか,しっかり把握する必要があります。加えて,遺留分侵害額請求は裁判所に申し立てる必要が必ずしもあるものではありません。協議で合意に至らなかった場合に,家庭裁判所に申し立てて調停,それでも決しない場合は民事訴訟へと移ります。

実際に遺留分侵害額請求をする場合,あるいはされた場合には,基本的に個人ができる範囲の調査や論理武装ではなかなか相手に太刀打ちできません。相続分野の多様な知識が物を言います。遺留分侵害額請求においては,法定相続分という遺産の全体像を明確にすることが最も大切です。この時の相続財産の範囲についての調査や適切な評価を得るという点においても,経験の豊富な弁護士に依頼することで,遺留分侵害額請求訴訟にスムーズに入ることができます。遺留分侵害額請求が相続の開始または遺留分を侵害する贈与・遺贈があったことを知ったときから1年という期限付きである点も,早期に弁護士にご相談していただいた方が良いという理由です。

法廷外で遺留分侵害額について話し合った場合には決定事項について内容証明郵便などを利用して,関係者間でしっかり認識すると共に,時効に対して相手方がいつ遺留分侵害額請求に応じたか,分かるような証拠を残すことが,その後のトラブル防止につながります。

遺留分侵害額請求を行わなければならないケースというのは,冒頭の例のような特定の個人等に比重の置かれた遺言により発生するケースがほとんどです。これに対しては,感情論にのみこまれず,ルールと事実に則って対応のできる弁護士にご依頼いただくのが安心です。